« 2011年4月 | トップページ | 2011年6月 »

2011年5月

2011年5月23日 (月)

フランス・ミンナート展開催中<前期>

本日より、フランス・ミンナート展が始まりました

今回も昨年同様、前期と後期2回に分けて展示致します。

ミンナート展も毎年恒例のようになってきましたが、今年は残念なことに追悼展となってしまいました。

悲しいニュースを知ったのは、2011年が始まったばかりの1月

ついそのひとつき前には、社長がミンナートへバースデープレゼントを贈り、「手袋気に入ったよ」なんてメールをもらっていたので、まさかの訃報に驚くばかりでした

ミンナートは、1929年ベルギーに生まれ、2011年1月18日生涯画家としての人生を終えました。

今回の作品は、1973年に開催された当画廊での第一回の個展の時に展示した作品の中から15点を並べてみました。

1972年に制作された作品たちです。

P1100408

P1100409 

P1100410

ジェッソ(地塗り材)を塗布していないそのままのキャンバス地に直接筆を走らせているので、一見油彩画のように見えません。

キャンバスの粗い目地の効果で、点描画のようにも見えます。

キャンバスが持つ地色も作品の一部となっています。

ベルギーはそもそもキャンバスの産地であり(原料である麻をかつてベルギーの植民地であった国から仕入れているため)、ミンナートもオリジナルでキャンバスを作ってもらっていたそうです。

生前、聞いておけばよかったなぁと思うことがたくさんありますが、何事も失ってから気付くことばかりですね

2007年に来日した際にお会いしましたが、とても陽気でお茶目なおじさまでした

20110523

今、たくさんの作品に囲まれて、あの頃の光景を思い出しています

『 Comme ci Comme ca! Comme ci Comme ca!』

何度もこの言葉を連呼しては訳が分からない私たちを面白がっていたミンナート。

言葉の壁はあれど、いたずらっ子のような行動とはうらはらに、そのまなざしの奥には「画家ミンナート」が見て取れました。

P1100411                  『THE PAINTOR』1972年作

ミンナートの人生そのもの。

この先、新しい作品には出会えませんが、彼が残してくれた数々のメッセージを、これからも多くの人々に伝えていければと思います。

ぜひお出掛けください。

フランス・ミンナート展<前期>

2011.5.23(月)~6.8(水)

休廊:5/28(土)29(日)6/5(日)

|

2011年5月16日 (月)

黒澤三喜男展開催中!

初夏の気持ちのよい風を感じられるこの頃となりました

梅雨入り前の一番いい季節ですね

お出掛けしましょう。そうしましょう

今週から、黒澤三喜男展が始まりました

当画廊では、1979年に第一回の個展を開催して以来、32年ぶり二度目の展覧会となります

黒澤三喜男先生(1943年生まれ)は、1973年より齣展に出展。

以降、現在も齣展で活躍されています。

齣展の簡単な説明をホームページhttp://www.geocities.co.jp/komaten1/より引用しました。

ご参考になさってください。

以下、引用文.......

1946年、前衛美術会が結成され、その後1975年に改組し、齣展と名を改める。

齣展のあり方の趣旨として齣展は『シュルレアリスム以後』を捉えようとする美術団体とする。

とあります。

それでは、まずは今回の展示作品の一部をご紹介します。

P1100311 P1100312 P1100313

とても幻想的です。

画面の中に吸い込まれていきそうな感覚に襲われます。

3枚目の作品は、大地に大きなねじを突き刺していく様子が描かれています。

壮大です。大地が大きなうねりをあげています。

P1100317

こちらは今年の新作です。題名は『叶山』

先生のご出身地にある鉱山だそうです。

石灰岩でできているために削られててっぺんが平らになってしまった悲しい姿です。

実際はもちろん、緑の木々で覆われている山ですが、削られた部分は白い岩肌が露出しているそうです。

石灰岩でなければ、削られることもなかったのになぁ。

そんなことを考えながら眺めてみました。

今回はアクリルと油彩を用いた平面の大作が11点。

平面と連動した立体作品もあります。

P1100319 題名は『1 or 0』

『1 or 0』とは、「ある」か「ない」かという意味でつけたそうです。

元々はデジタルの通電状態を『1』通電してない状態を『0』というところからきているとか。

平面でありながらとても立体感溢れる作品です。

そしてこれを本当に立体にしたものがこちら。

P1100318

作品が生まれる時のテーマなどを伺ってみましたが、小説の中の世界を想像してそれを描き出すこともあれば、実際に起こった事象をテーマにその情景を描いたもの、なんとなく目にした石ころを観察していてそれを膨らませていったものなど、その時々で描き始めは様々だそうですが、それらを常に明確に詳細に表現する=写実的に描くことが基本なんだとか。

日本画廊ではたまにしか見られない超写実の展覧会です。

3Dメガネなんてなくても3次元の世界を体験できます

表のウインドウにも目一杯展示しています。

迫力があります

ぜひお出掛けください

黒澤三喜男展

2011.5/16(月)~21(土)

黒澤三喜男ホームページhttp://www.kurosawa-world.com/

おまけ:こちらもお初です。

P1100316

で、でっかい

こんな大きなお花が届いたのは初めてです

開店祝いのようです。が、もちろん先生へのお祝いのお花です。

お花の香りに包まれてます

|

« 2011年4月 | トップページ | 2011年6月 »