猪爪彦一銅版画展 「夜の物語」 開催中
今週から、当画廊では初の画家さんの展覧会が始まりました
会場内には幻想的で魅力あるモノクローム作品20点がズラリ並んでおります。
先生と作品の一部をご紹介いたします
猪爪彦一(いのつめひこいち)
1951年新潟市生まれ。公募展に出品した油絵は若かりし頃から高く評価され、
油絵書きがあこがれる安井賞などを受賞。一方で、銅版画の世界に強く引き付け
られ独学の末に独自の世界を確立。油絵と並行して制作を続けておられます。
個展・グループ展多数、行動美術賞・安井賞など受賞多数。
現在、行動美術協会会員、日本美術家連盟会員、新潟県美術家連盟副理事長、
新潟市美術協会理事。
『夜の騎士』こちらの絵は、あるグループ展でのテーマが「虫」であったことから、
ちょっと変わった絵にしてみようと思いついて制作されたものだとか。人によっては
宮崎駿監督作品の「風の谷のナウシカ」に出て来る巨大な蟲に見えるそうで、先生も
そう言われるとそう見えてきた、とおっしゃっていました何だか、今にも大空へ飛び
立ちそうに見えてくるので不思議です。
『流れ』こちらは、川の流れに沿って画面奥から手前へ沢山の人の顔が迫って来る
何とも緊迫した空気の漂う絵です。骸骨のように骨ばった顔の先には心もとなく浮かぶ
小舟。生命を感じさせない少女らしき若い女性が横たわっています。
先生はストーリーを作らずに制作されたようですが、三途の川を連想させるような
不気味さがあります。その他の作品たちとはあきらかに異質であり、一度見たら
脳裏に焼きついてしまうような強さを持った作品であります。
道標 2011年 大全紙
初めての個展ですし、先生に作品のテーマや銅版画の魅力など色々とインタビュー
してみましたが、終始穏やかに丁寧に答えて下さいました。
先生は本職は畳屋さんであること、畳職人の技術を学ぶ前は音楽の道に進みたくて
学生の頃は指揮をしていたこと。制作の際は大好きなバロック音楽を聴きながら、
画面に音符を並べるような感覚で描いていくこと。
確かに、『道標』や他作品で夜空に浮遊する様々な物体を見るとテンポ良く配置されて
いるような気がします。バロック時代の代表的な作曲家、バッハやヘンデルのお好きな
方ならこの作品の魅力をより、感じていただけるのではないでしょうか。
-銅版画は油彩には無い何か特別なものを感じる。魔法のような。手品のような。-
(猪爪彦一銅版画集 夜の風景)より
1985年から2011年までの先生の思いの詰まった作品。形にとらわれず、自由な
発想で楽しんでご覧下さい
会期:2012.2.20(月)-3.2(金)
休廊日:2/26(日)
営業時間:10:30~18:30(最終日は17:00まで)
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