川島のぶ子展開催中
今週より、当画廊では初の個展となります
川島のぶ子展が始まりました
川島先生(1950年福岡県直方市生まれ)は、九州造形短期大学美術科を
卒業、イタリアのファエンツァ美大留学を経て数々の展覧会に出品。
第38回安井賞展に入選、第49回女流画家協会展にて奨励賞を受賞など、
複数受賞。
直方市谷尾美術館、田川市美術館、作品収蔵。
日本美術家連盟会員 “風の會”主宰。
また、九州造形短期大学公開講座で油絵を教えていらっしゃいます。
それでは、会場風景と作品の一部をご紹介いたします
今回は福岡県の筑豊地方を描いた油彩画など、23点を展示しております。
筑豊は現在では過疎化が進んでいる地域ではありますが、明治時代以降、
石炭産業によって豊かになった土地です。
「石炭Ⅱ」は、その筑豊炭田で採れた黒光りする石炭と風景を描いた作品です。
石炭を描いた作品はこの他3点あり、活気のあった時代の懐かしさや哀愁を
感じさせる絵です。 漂 1995年 S100号 油彩・キャンバス
「漂」は鉄道のレールの下に使われ廃材となった枕木をモチーフに描かれて
います。
枕木の所々に付けられた○、△、×は木の使用可、不可を意味しています。
枕木から飛び出ている途中で切れてしまった有刺鉄線は、自分と社会との
繋がりを表しているそうです。
枕木も炭鉱のレールとして使われ筑豊の繁栄に欠かせなかったものです。
追想、色々な感情が込められた重みのある絵です。
この作品の発表が、ちょうど阪神淡路大震災の発生した年だった為か、
当時はその被災現場を描いたものだと思われる方もいらっしゃったとか。
今この絵に出会う方のなかには、まだ記憶に新しい去年の東日本大震災を連想
される方もいらっしゃるかもしれません。
こちらの絵は空中に黒い物体が浮かび、亀裂から白い粒がこぼれ出ています。
「新生」は死と再生を表現した絵だそうです。
自然破壊によって腐ってしまった卵(黒い物体)から地上へ降り注ぐ涙(白い粒)、
そしてラッパを吹く天使は未来や再生を意味します。
筑豊の土地への複雑な心境から生み出された絵。
F6号で同じ絵をもう一つ展示しております。
「収穫」は縁側に置いた取れ立てのたまねぎと後方に広がる美しい棚田を
描いた作品です。
「新生」のように、人類への警告ととれる強いメッセージ性は窺えませんが、
土地への愛着、自然を賛美する気持ちが込められた絵です。
会期は日曜日の休みを挟んであと4日。
先生は毎日来廊されます。
作家の声を聞き、作品の魅力を感じていただければ幸いです。
会期:2012 11/15(木)-22(木)
休廊日:11/18(日)
営業時間:10:30~18:30(最終日は17:00まで)
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