次回展覧会のお知らせ
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前回告知をさせていただきました『画廊コレクション展』が始まりました
今回は、稲垣三郎・井上雅文・田中田鶴子・水谷勇夫の、1980年代から
2000年頃に制作されたモノトーン作品を16点展示しております
稲垣さんは、1938年神奈川県生まれ。東京芸術大学卒業。
当画廊では、1966年以降「これが日本画だ 展」や「反戦と解放 展」などに出品。
2007年には個展を開催し、風景をテーマに制作した〈風景図譜〉シリーズを展示
しました。
写真の「雨光る」は、墨を使って自然の美しさを表現しています。
目で見た風景を自分の内風景と重ね合わせて再構成して描かれています。
色々な形が混ざり溶け合って幻想的な世界が広がります。
井上雅文 作品84-409 1984年 73×103cm(P40)
アクリル・パネル
井上さんは、1954年愛知県生まれ。大阪芸術大学卒業。
当画廊では、1982年から86年まで開催された「POLYPHONY展」に出品。
その他個展・グループ展多数。
現在は愛知県豊橋市でいのうえ児童画教室を主宰されています。
井上さんの画業のテーマは、人間の内面を捉え表現すること。
写真の「作品84-409」は、様々な表情の顔が無数に描かれています。一つと
して同じ顔はありません。
普段他人には見せないような人間の醜い表情をあえて描くことで、人間の本質を
探ろうとしているようです。
田中田鶴子 1996年 4枚1セット(左からP50・F50・P50・F50) アクリル・キャンバス
田中さんは、1913年朝鮮生まれ。多摩美術専門学校(現、多摩美術大学)卒業。
1946年に三岸節子・仲田菊代・桂ゆきらと女流画家協会を創立。国内外での個展
・グループ展多数。数々の賞を受賞。美術館に作品が収蔵されています。
当画廊では、1988年、92年、96年、2005年に個展を開催しました。
前衛美術が盛んだった1950から60年代頃、井上さんは女性の抽象美術家として
先駆的な存在であり、日本を代表する国際的な画家の一人として活躍しました。
写真は1996年の個展で出品された4枚1セットの作品です。
激動の時代を経験しながら、それでも絵を描き続けたひたむきさを感じる作品です。
水谷さんは、1922年愛知県生まれ、2005年に83歳で逝去。
自らの戦争体験をもとに和紙と日本画の顔料を使った現代絵画を制作し、国内外
で高く評価されました。また、舞踏の舞台美術や陶器、書なども手掛けた多才な芸
術家です。美術館に作品が収蔵されています。
当画廊では、1966年から「これが日本画だ 展」や「戦争 展」などに出品、個展も
開催しました。
写真の「蠅と食卓」は、1984年の個展で出品された作品です。
複雑なマチエールの中に浮かぶ無機質な食卓と一匹の蠅は、観る側をなんとなく
不安にさせます。
卓上の花札には何かメッセージが込められていそうです。
人間の闇の部分を表そうとしているのでしょうか。
本展の出品作品はいずれも素晴らしいものばかりです。
4人の画業を見比べて作品に込められたメッセージを感じていただければ幸いです。
ぜひ、足をお運びください
会期:2014 9.16(火)-10.2(木)
休廊日:9/21(日)~23(火)、27(土)、28(日)
営業時間:10:30~18:30(最終日は17:00まで)
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